ブーゲンビレア室内アレンジメント

沖縄の県花であるブーゲンビレアを室内型としてアレンジしました。

序章

ブーゲンビレア。色鮮やかな花のような顎、小さくて白い可愛らしい花。濃い緑色や、時にクリーム色の斑模様を纏う葉。しっかりとした足元から空に伸び、硬い棘が印象的な枝。特徴は様々で、ここ沖縄では定番の花木の一つです。そのブーゲンビレアの品種の一つで或る、ガーデンブーゲンビレアの苗木と、沖縄を代表する我等が琉球石灰岩が出逢い、互いに共生していく様を綴る物語です。

 

直径約20センチ程、重さ約3キロの小振りなサイズの琉球石灰岩に植込用の穴を開け、取木したピンク色のガーデンブーゲンビレアの苗木を弊社が独自に配合した培養土で植え込む。本来は挿し木や植え込む際には、花は摘む。花が咲いていると、新しい根を生やす為に必要なエネルギーが花に持っていかれるからで、花は切り落とすのが常識であるが、敢て花をそのまま残して母体となる琉球石灰岩に植え込んだ。それは生き物、生命体として扱うという事に尽きる。

植え込んで二週間。半日蔭の場所に置いて、毎朝一度の水遣り、毎週一度の弊社オリジナル液体肥料を散布。まだ花は一つも落ちていない。ただ、葉っぱが気のせいか元気がない感じに見受けられる。まるで、花と石が互いに気遣っているようで、健気ささえ感じる。

限界(終焉)

植え込み一か月。花は散り落ち、葉さえどんどん枯れ落ち始め、明らかに生命の危機である。植え込み時期は悪くない。温度湿度も問題ない。光量に水量等、何ら問題はなく、原因究明出来ずに終わりを迎えそうで、命の灯が今正に尽きようとしている。命儚いものである。

 

完全に枯れ落ちる、無くなる、その前に、ここで切り戻す。ここにきて手を加える。全ての枝、脇芽、一切切り落とし、元幹一本に切り戻した。生きとし生ける全ての生き物ならば、死ぬまであがくはずで、簡単に無くなる訳がない。再生すると信じて思いっきり切り戻した。

切り戻して一週間。ポツポツと新芽が出始めた。綺麗な緑色の葉が日増しに増え、光合成が活発に行われている、生き始めた様を見せ、周りの期待に見事に答えてくれたもので、本当に嬉しい限り。元幹も気のせいか艶が出て、太くなったようにさえ見える。嬉しス。

みるみる生長し、枝が三本に増え、切り戻して二週間半、葉先部分にほんのりピンクがかった葉が出始めた。まさか、蕾?瀕死状態から切り戻してまだ二週間半。たった二週間半である。通常、切り戻して花が咲くまで、どんなに早くても三か月以上はゆうにかかる。それが一般的、常識的な訳で、こんなに早く蕾を付けるとは想像してなく、嬉しい想定外である。

三本枝がしっかりしてきて、枝先の部分に、ピンクの顎が鮮やかに花咲き、見事に生き返ったのは嬉しいかぎり、ただ、写真を御覧いただくとわかるように、首を傾げるような形になっている。その姿はジトジト湿気、梅雨時のスーパースター、紫陽花、のようである。花の付き方が変わったのは不思議な現象!

 

脇芽や分かれ枝には一切花咲く事なく、三本枝の先端にギッシリ咲き乱れ、ポンポンのようで可愛い。見た人誰もがその樹形、姿形を見て、ほんわか間違いない。室内で飼っているペットのような愛着さえ湧いてくる。大きくならないこのフラワーストーン、もっと数を増やしていきたいものである。

開花が安定してきた矢先、好奇心からあの綺麗な樹形を保っていた、三本枝を躊躇なく切り落とした。折角ここまで立派に生長、生育出来たのに、何故枝を全部切ったのか?それは本の小さな好奇心からである。決していたずら半分でやった訳ではない。きっと何かが起こると期待して。

切り戻して一週間、早くも花芽が出始め周りを驚かす。前回とは全く異なる咲き方で、まるで生き急いでるかのような、そんな気がする程である。日に日に花芽が数を増やし、その一方で葉のほうはあまり出てこない。もしかして、こちらをからかっているのだろうか?

すっかりブーゲンらしく、ピンクの可愛い姿を披露し、花が咲いて三度目の今、小振りでいて白い琉球石灰岩の石鉢に、一番しっくり合っている。まるで、石からブーゲンの芽が出たような感じ。生育環境が余程あっていたのか、それとも偶然起きた奇跡みたいなものなのか、とにかく大事に育てている事に変わりはない。

 

咲き出して三週間、心持幾分か元気がなくなってきたような感じで、やはり、花を咲かすのに体力を使ったと思われ、顎はピンク色の鮮やかな色を放つものの、白くて小さくて可愛らしい花が咲く事なく、蕾のままでいる。この後、どうなるのか、予想もつかない。

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